研究プロジェクト

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【自主研究】

デジタル時代における中国スーパーマーケットのネット展開の研究
―小売業態の変化と対応の観点から―
研究代表者:専修大学商学部 孫 維維

<研究目的>
2015年から中国政府は「中国製造2025」「インターネットプラス」「AI次世代計画」などの政策を相次いで打ち出した。このような背景で様々な産業に変革を起こしており、各産業がインターネット技術と融合することは変革の特徴である。例えば、金融とネット決済技術の結合によるキャッシュレス化、物流とAI技術の活用による自動化物流センター、小売業とAI技術の活用による無人店舗の展開などの試みが中国および世界範囲に大きな影響をもたらした。
本研究はこうした激変している中国市場、とりわけ我々の日常生活に最も近い存在である小売業に注目し、小売業態が如何に変革へ対応していくのかについて検討したい。そのなかで、スーパーマーケットは発展の成熟期に入って成長が鈍化する一方、業態間の競争が熾烈になりつつある。このような苦境から脱出するため、スーパーマーケット企業は新しい施策を模索している。最も代表となるのはスーパーマーケットのネット展開である。スーパーマーケット企業はネット技術を利用してリアル店舗の優位性を最大限に発揮することに取り組んでいる。だが、実際にネット事業を展開するさい、2つの課題に直面している。第1は伝統小売業がオンラインネットワークを実現するためのバックシステムが整備されていない問題である。第2はアリババのような巨大プラットフォーム企業が存在しており、スーパーマーケット企業が如何にネットユーザーを確保するのかが問題である。
以上を踏まえて、これらの課題に対応するためにはどのような施策が必要であるかについて本研究の第1目的として検討したい。それからスーパーマーケットがネット展開を行うための必要となる経営資源と組織能力が何なのかは第2目的として解明したい。さらに、第3目的として以上のことを明らかにすることによって、日本におけるスーパーマーケットのネット展開に関する示唆を得ることである。

【自主研究】

ネットスーパーとオンラインのアパレルショッピングにおける非計画購買の比較
研究代表者:㈱DNPコミュニケーションデザイン 木佐貫 裕子

<研究目的>
食料品とアパレルという商品の違いによって非計画購買率の多寡に違いが生じるのかを比較検証することによって、オンラインショッピングに最適な商材とはどのような特性が必要なのかについて明らかにする。
ネットスーパー(先行研究ではオンライングロサリーショッピングと表記される)の利用状況は、実店舗の補完的要素が多く、ネットで食料品を購買することに快楽を感じることは少なく、タスクと感じている消費者も多いと言われている。一方アパレルのオンラインショッピングは、ブラウジングすることに快楽を感じており、消費者は楽しさを感じながらショッピングをしているといわれている。オンラインショッピングにおいて消費者はなぜ、このような違いを感じるのか。商品の違いによるのか、消費者の世代によるものなのか。従来、ネットスーパーとアパレルのオンラインショッピングを直接比較検証し、そのような問いに対する回答を提示した研究は少ない。そこで、この2つの商材の非計画購買率を比較検証することで、オンラインショッピングで非計画購買が生起される重要な特性とは何かを明らかにすることによって、従来の非計画購買の研究領域に新たな知見を提示する。

【自主研究】

ホリゾンタル・スクロールのユーザビリティに関する評価
―買い物難民のための直感型通販サイトの構築をめざして―
研究代表者:宮崎産業経営大学 日高 光宣

<研究要旨>
本研究の眼目は、ネット通販の新たなターゲット層として「買い物難民:高齢者(65歳以上)」に注目し、彼らをそのデジタル空間へ誘導し、また購買行動へと完結させるための通販サイトのメカニズム(決済までのフロー、レイアウト、デザインなど)を解明することである。その道程は人間の直感的操作行動の解明の過程であり、その解明のヒントを提供してくれるものが新たなデジタル・デバイス(i-pad)の出現であることは言うまでもない。その新たなデジタル・デバイスにおける「ホリゾンタル・スクロール・サイト」と「買い物難民:高齢者(65歳以上)」との関係を究明することにある。