会長あいさつ
この度、日本ダイレクトマーケテイング学会の会長に就任しました高瀬浩です。
1999年に設立しました当学会も、初代会長田島義博先生から田中利見先生、亀井昭宏先生、上原征彦先生、中島純一先生、長嶋広太先生と引き継がれ、私で第7代目となります。その間、研究発表の場である全国研究発表大会も、2026年には記念すべき第25回大会が開催されます。こうした歴史の重みを肌で感じながら、更なる学会の発展に向け、微力ではありますが、その重責を担っていきたいと思います。
この25年を振り返れば、インターネットの急速な普及と技術の進歩に伴って、企業と顧客との関係性も大きく変わりました。企業は、膨大な顧客データを分析し、有効活用することによって顧客との接点を最適化し、より効果的にパーソナライズされた価値を提供しつつ、直接顧客に働きかけができるようになったのです。まさに、ダイレクトマーケティングが企業活動の目的を果たす中心に据えられる時代になったわけです。

このような時代の流れの中で、当学会も新たな形として、いくつかのことを進めていきたいと思います。その一つが、産業界におけるダイレクトマーケティングの最新事例等を学べる場として「DMフォーラム」を定期的に開催することです。「DMフォーラム」では学会員のみならず広く参加を募ることで、産業界全体でダイレクトマーケティングの発展に寄与したいと思います。もう一つが、研究プロジェクトの活性化です。すでに、学会では重点研究領域として、「ポスト・デジタル時代の最先端マーケティング」、「顧客体験再構築を起点としたマーケティング」、「経営管理視点でのダイレクトマーケティング」、「データサイエンスとダイレクトマーケティング」の4つを挙げていますが、これらの領域を中心に、産学連携も進めながら研究を深化させ、社会に貢献できればと考えています。
そのためには、ダイレクトマーケティングの研究において裾野を広げていくことも必要です。そこで今後、新たな研究部会も立ち上げ、若手研究者や企業の方々にも参加しやすい場作りも検討していきたいと思います。こうして進めていく研究の進捗や成果は、学会誌「Direct Marketing Review」や全国研究大会での発表に加え、有用な情報は、学会のホームページ等でも発信していきたいと考えています。
今後も、当学会が皆様にとって、より魅力ある場として機能するよう、他にもさまざまな取り組みを皆様とともに進めていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
2025年11月吉日
日本ダイレクトマーケテイング学会
第7代会長 高瀬 浩