大会テーマ:
社会志向時代のダイレクトマーケティング

2012721日(土)、城西国際大学 東金キャンパスにて、日本ダイレクトマーケティング学会主催による第11回全国研究発表大会が開催されました。 約90名の方にご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。

午前の部は、上原会長による講演から始まりました。

上原会長は、「顧客接点の変化と流通の新旧交代」という講演の中で、今後流通は、集客型流通から接客型流通へ、集物型流通から創造型流通へ、取引の連鎖からサプライチェーンへ、広い売り方から強い売り方へ変化していくと述べました。

続いて、三会場に分かれての研究発表を行いました。
第一会場では、駒澤大学 中野 香織氏と千葉商科大学 松本 大吾氏による「メディア・エンゲージメントを応用したショッピングサイトへの誘導分析の要因」、続いて宝塚大学 菅原 正博氏が「社会志向時代のダイレクトマーケティング:ソーシアル・マーケティング・アプローチ」について発表しました。

第二会場では、(株)ファンケル 前田 弘之氏による「顧客経験価値(カスタマー・エクスペリエンス)の向上要因とその影響―化粧品のダイレクト・マーケティング販売における顧客接点業務を中心とした考察―」、続いて(株)ブラックス 岩井 信也氏が「マルチチャネル・ダイレクトマーケティングモデルにおける顧客価値管理」について発表しました。

第三会場では、(株)マネージ 藤田 聡氏が「『通販法務ハンドブック』の深耕に関する研究」について発表しました。

午後は、イオン1%クラブ事務局長 友村 自生様の基調講演よりスタートしました。講演は、「1%でできること~小売業の神髄~」と題し、現在は、より高い社会的良識が企業に求められているとともに、企業の公的側面が増大していると指摘しました。

次に、二会場に分かれての講演がありました。

第一会場では、東京経済大学教授 田島 博和氏に、「マーケティング・ビッグデータの分析とその可視化」についてご講演いただきました。続いて、同志社女子大学教授 中島 純一氏に、「ネット時代の流行心理」についてご講演いただきました。

第二会場では、博報堂 ダイレクトプロデューズ部部長 飯塚 正博氏に、「戦略視点の『マーケティングROI』の考え方」についてご講演いただきました。

研究発表終了後の会員総会では、役員の変更が決議されました。新しく理事として、高橋 善樹氏(弁護士)が就任されました。

今年度の学会賞は、学術賞の受賞はなかったものの、審査委員が厳密に審議した結果、日本におけるダイレクトマーケティングの優れた研究業績および過去に遡った著作等に授与される特別賞に早稲田大学名誉教授の亀井 昭宏氏が選ばれました。

また、日本におけるダイレクトマーケティングの研究および教育への啓蒙に資する著書に授与される「奨励賞」については、「衣類商品eショッピングにおける知覚リスク構造に関する研究―日本と韓国の消費者文化を中心に―」を書かれた文化学園大学大学院の安 常希氏と、「接触順序を考慮したクロスメディア情報処理モデルの検証―マス広告からウェブサイトへの誘導―」を書かれた駒澤大学の中野 香織氏、千葉商科大学の松本 大吾氏に決定いたしました。
今後の成長が期待される若手研究者、実務者を対象とした「田島記念賞」には、早稲田大学大学院在学中に「サービス・リカバリーによる顧客ロイヤルティの変化~消費者意思決定プロセスと顧客満足メカニズムに基づくサービス・リカバリーの役割に関する考察を中心にして~」を書かれたジャパンテーブルキャスト(株)の濱田 千代氏に決定いたしました。

最後に、次回開催校へ引継ぎ、第11回大会は幕を閉じました。来年度は、 2013年7月頃に、明治大学にて開催する予定です。