大会テーマ:
ダイレクトマーケティングとチャネル革新
2015年5月16日(土)、上智大学にて、日本ダイレクトマーケティング学会主催による第14回全国研究発表大会が開催されました。 約130名の方にご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。
午前の部は、三会場に分かれての研究発表を行いました。
第一会場では、中村洋心事務所 中村 洋心氏と太樹法律事務所 高橋 善樹氏による「オムニチャネル時代におけるダイレクトマーケティングの方向性と法的課題」、続いて(株)サプライチェーン経営研究所 市川 隆一氏による「オムニチャネルで問われるアクチュアル・オペレーション―成否はマーケティングとオペレーションの同期化―」、最後に専修大学 渡辺 達朗氏による「中国におけるオムニチャネル戦略の展開―ネットとリアルの競争と融合の視点から―」についての発表がありました。
第三会場では、プロトビジョン 帆場 英一氏と菅原 正博による「中国を対象にしたダイレクト・マーケティングの勝ちパターンの研究―研究プロジェクト報告―」、続いて筑波大学大学院 津田 和彦氏による「通信販売における債権管理と与信に関する研究―研究プロジェクト報告―」についての発表がありました。
午後は、基調講演「セブン&アイHLDGS.のオムニチャネル戦略」と題し、(株)セブン&アイHLDGS. 最高情報責任者(CIO) 鈴木康弘氏による講演がありました。鈴木氏は、「我々の考えるオムニチャネルとは、システム戦略ではない。究極の顧客戦略だと考えている。お客様の日々の生活にお役に立てるよう、そしてライフスタイルをどう変えていくかという戦略。意識すべきは、業態を超えるという発想。もう一つは、リアルとネットを融合していくという考え。ただ、最も重要なのは商品であり、商品にしっかり磨きをかけていくことを核に据えていこうと考えている」などと、セブン&アイHLDGS.の戦略について話しました。
続いての特別講演では、「大きく変わる流通とダイレクトマーケティング」をテーマとして、日本ダイレクトマーケティング学会会長 上原征彦氏による講演がありました。上原会長は、「これからの問題は、どのチャネルを選択するかではなく、どのチャネルとどのチャネルを組み合わせるか。これがメーカーにも関わってくる。また、これまでのダイレクトマーケティングは特殊だった。しかしオムニチャネル化すると、他の中に取り込まれていく。つまり、特殊から普遍化する。しかし、普遍化するということは模倣しやすくなる。その時に重要なのは、強みを活かした連携だろう」などと語りました。
特別講演終了後の会員総会では、役員の変更が決議されました。現会長の上原 征彦氏の後任として、中島 純一氏((公財)流通経済研究所研究顧問)が新しく会長に就任されました。新副会長には、中島新会長より新井 範子氏(上智大学教授)の推薦があり、承認されました。また、新しく理事として、陶山 計介氏(関西大学教授)、津田 和彦氏(筑波大学大学院教授)、朴 正洙氏(駒沢大学准教授)、矢野 裕児氏(流通経済大学教授)が就任されました。なお、上原前会長含め、4名の理事の退任がありました。
今年度の学会賞は、学術賞、特別賞、田島記念賞の受賞はなかったものの、審査委員が厳正に審議した結果、奨励賞に、『電子モール・ロイヤルティに関する実証的研究―電子モールとショップの品質とロイヤルティ―』の研究業績について、東洋大学の長島 広太氏が選ばれました。
最後に、次回開催校へ引継ぎ、第14回大会は幕を閉じました。来年度は、 2016年7月上旬頃に、東洋大学にて開催する予定です。
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