学会賞

第18回学会賞

第19回全国研究発表大会の会員総会において、第18回学会賞の発表が行われました。
学会賞には、その前年度の学会員の業績、実績に対して贈られる学術賞(1名)と奨励賞、特別賞、田
島記念賞がありますが、今回は残念ながら、学術賞、特別賞、田島記念賞については該当者はありま
せんでした。

しかし、日本におけるダイレクトマーケティングの研究および教育への啓蒙に資する著書に授与される「奨励賞」につきましては、「オンラインビデオ広告の効果を規定する要因‐完全視聴と広告認知に着目した実証分析‐」を書かれた法政大学大学院の渋瀬雅彦 氏に決定いたしました。

<奨励賞>
渋瀬 雅彦(シブセ マサヒコ)氏

<受賞理由>
オンラインビデオ広告の効果という、いまだ学術的に明らかにされてこなかった課題に関する意欲的な研究であり、課題設定については評価できる。また、オンラインビデオ広告への接触について、広告表示のみのグループ、完全視聴グループ、テレビ広告のみ接触グループに分け、それぞれの広告広告効果を広告忌避意識、製品への関与度などとの関連で検証している点も評価でき、学術的貢献も大きいと考えられる。しかし、「広告表示のみ」と「完全視聴」は自己申告であり、行動データに基づく検証とはいえない点、「完全視聴」といってもその中身(実際の行動)は不明であること、オンライン広告とテレビ広告の視聴の仕方が異なるのかどうかについても掘り下げも不十分である点など、本研究の限界も指摘できる。今後の研究に期待したい。

2020年9月
学会賞審査委員一同

過去の受賞者