日本ダイレクトマーケティング学会 会員総会

【講演】
14:00
~    14:30
<演題>
「ウェブルーミングのメカニズム〜情報探索と不確実性低減の観点から」
<登壇者>
明治学院大学 専任講師 中野 暁
<概要>
情報探索時と購入時で異なるチャネルを使う顧客行動は、フリーライドにつながるため、小売企業はその対処が求められる。これまでの研究では、こうした行動としてショールー ミングを扱ったものが多かった。しかし、それに比べて、ウェブルーミングに焦点をあてた研究は相対的に少なく、その先行要因もショールーミングとは異なる可能性がある。そこで、本研究ではウェブルーミングに着目し、それを計画的行動理論に基づいて説明するモデルを提案した。さらに、そのモデルを顧客の情報探索と不確実性低減の観点から拡張した。PLS-SEMによる実証分析の結果、態度、主観的規範、行動のコントロール感が意図に影響し、意図と行動のコントロール感が実際の行動に影響することが示され、計画的 行動理論のあてはまりの良さを確認した。また、価格や品揃えに関する情報探索、製品と触れることによる不確実性低減がウェブルーミングの先行要因になることを示した。
14:30

15:00
<演題>
「非営利組織体におけるマーケティング的思考とCRM的考察」
<登壇者>
慶應義塾大学大学院 安達 満
<概要>
非営利組織体に属する私立大学は、18歳年齢の人口が緩やかに下がり続ける中、厳しい冬の到来を迎えようとしている。近い将来、日本は大学進学希望者全入学の時代に突入すると予想され、大学間で学生の激しい争奪戦が想定される。 このような中、継続的な定員割れから学生募集を停止し、閉学を迫られる大学が発生してくる事が想定される。学生募集に焦点を当てた広告展開や学生募集部の増員だけでは解決するような問題ではない。このような背景から、優れたマーケティング的な思考を非営利組織体に取り入れる必要がある。非営利組織体にマーケティング的発想ならびに顧客関係管理 (CRM)的思考を有した分析者を配置させることで、学生募集活動や退学者の分析を行うことができ、さらに課題の解決策や新たな施策を打つことができる。そして、学生の満足感(=ロイヤリティー)を高め、学生一人ひとりのデータに基づいた持続的な関係を構築することが重要である。さらに、パーソナライズされたマーケティング施策を展開するこ とで顧客生涯価値(LTV)を最大化させることができる。非営利組織体である私立大学運営にマーケティング的思考並びに顧客関係管理(CRM) 的な視点から、大学の学生募集ならびに退学者の実態、さらに、どのような視点で顧客である学生を維持させることができるのか明らかにしたい。そして、このような研究は私立 大学で学生募集や退学者に悩む大学にとって一つの示唆になりえると考えられる。
【総会】
15:00

16:00
1.前年度活動報告
2.本年度事業計画
3.その他
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