大会テーマ:
ダイレクトマーケティングにおけるブランド戦略

2006年6月10日(土)、東洋大学白山キャンパスにおきまして、第5回全国研究発表大会が開催されました。 大会には、160名ほどの方にご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。

午前の部は、田中会長の挨拶から始まり、(株)良品計画 代表取締役専務取締役・金井政明氏をお招きし、「無印良品のマーケティング戦略」と題した基調講演を行いました。講演の中で、金井氏は「20世紀のデザインに良いものはたくさんあった。しかし物のデザインとしては優れているが、それをどういうところに置き、人がどう使うのかという関係までデザインで表現できているかというと、あやふやな部分があった。無印良品は、空間と人々の行為と物の関係をもう一度デザインしたいと思っている」と述べました。

続く特別講演では、弁護士・白鴎大学法科大学院教授・川越憲治氏が「法律の時代におけるダイレクトマーケティング」をテーマに、法律論から見たブランドについて解説しました。

午後の部は、二会場に分かれ、 学会員による研究発表が行われました。

第一会場では、早稲田大学大学院 大瀬良 伸氏による「顧客の声の発生に伴うロイヤルティの変化について」、 続いて、筑波大学大学院・香田正人氏による「販売面での顧客セグメンテーションモデル(データマイニングの適用を含めて)」、 最後にLEC大学・和田俊彦氏による「ダイレクトマーケティングと法律問題」の研究発表が行われました。

第二会場では、(株)フォーナイン・ストラテジーズ・西村 豊氏による「ブログ読み比べリンク集!Blog-Headlineにみる販促効果」、 (株)マーケティング・エクセレンス 戸谷圭子氏らによる「金融業態間のブランド拡張に関する研究―企業と消費者のブランド不一致の影響―」、最後に中村学園大学 秋本昌士氏による 「近年のアメリカにおけるダイレクトマーケティング研究の動向」との研究発表が行われました。

研究発表終了後の第5回の定期総会は、去る3月28日にご逝去された、学会初代会長、田島義博先生への黙祷から始まりました。

議題の中では、役員の変更が決議されました。(社)日本通信販売協会前会長である(株)ユーキャン会長・品川惠保氏が新副会長へ就任しました。現副会長の(株)ファンケル名誉会長・池森賢二氏は、社内事情により、後任の理事として(株)ファンケル代表取締役社長 藤原謙次氏を推薦し、承認されました。すでに消費者行動研究部会長を務めている上智大学経済学部教授 杉本徹雄氏が理事に新任されました。

また、ご逝去された田島先生のご功績に深く感謝の意を表すものとして、「田島記念賞」を創設しました。田島先生は、若手をとても大事にされていたことから、対象は「創造性・ユニーク性のある研究、ビジネスモデルに取り組んでいる40歳以下の若手研究者、実務者」としました。

総会の最後には今年度で四回目となる学会賞の授賞式を行いました。学術賞、奨励賞の受賞はありませんでしたが、特別賞には、消費者にとっての真の価値を提供し、通信販売に対する信頼を勝ち取るために、「通販生活」は、ダイレクトマーケティングのパンフレットや、単なる情報誌の域をはるかに超えて、洗練されたスタイルを提案し、主張する著作物にまで高め、(株)カタログハウスという企業の名声以上に、ダイレクトマーケティング業界全体の高い評価に貢献したとして、(株)カタログハウス『通販生活』が受賞し、㈱カタログハウスを代表して、取締役の竹本徳子氏が受賞の挨拶をしました。

また、次回大会開催校である筑波大学へ引継ぎをもって閉会となりました。 その後行われた懇親会では、70名以上の方が参加されました。