大会テーマ:
メディアの変革とダイレクトマーケティング

2009年7月4日(土)、青山学院大学 青山キャンパスにおいて、日本ダイレクトマーケティング学会主催による第8回全国研究発表大会が開催されました。 約170名の方にご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。

午前の部は、三会場に分かれての研究発表から始まりました。

第一会場では、明治大学専門職大学院 馬 瑩氏による「ダイレクトマーケティングに関する日中比較研究」、続いて早稲田大学商学部 朴 正洙氏による「ダイレクトマーケティングコミュニケーションにおけるブランドレバレッジ戦略」、最後に東洋大学経営学部 長島広太氏が「通信販売業界のポイント制度のあり方」について発表しました。

第二会場では、Y&Iジャパン 伊藤由紀美氏による「感性価値創造のコンセプトと実現」に続き、西南学院大学 小森俊介氏、(株)JIMOS 林田七恵氏による「顧客情報の活用実態と課題―CRMに関連させて―」について発表がありました。

第三会場では、 (株)ディノス 和田俊彦氏による「広告表示に関わる法務ハンドブック」、続いて (株)エフシージー総合研究所 矢野誠二氏による「提出資料はなぜ『広告表現の根拠』とならなかったのか?」について発表がありました。

午後は、田中会長の挨拶の後、基調講演がありました。基調講演は、慶應義塾大学の 池尾 恭一氏に、「デジタル消費社会のマーケティング課題」についてご講演いただきました。池尾氏は、データマイニングによって顧客のニーズを個別把握することが昨今の大きな流れになっており、その点でも、通信販売・インターネットが大きく注目されている、などと語りました。

続いてのパネルディスカッションでは、「クロスメディア時代のダイレクトコミュニケーションを探る」をテーマとして、パネリストに、大薮範子氏((株)ワコール)、中島良彦氏(大日本印刷(株))、美和 晃氏((株電通 電通総研))をお迎えしました。田中利見氏(上智大学名誉教授)のモデレーターのもと、企業と消費者のコミュニケーションのあり方などについて様々な意見が交わされました。

パネルディスカッション終了後の会員総会では、役員の変更が決議されました。現会長の田中利見氏の後任として、亀井昭宏氏(早稲田大学教授)が新しく会長に就任されました。新会長には、亀井新会長よりルディー和子氏(ウィトンアクトン社、早稲田大学大学院客員教授)の推薦があり、承認された。また、新しく理事として、懸田 豊氏(青山学院大学教授)、田村正紀氏(同志社大学特別客員教授)、長島広太氏(東洋大学教授)を迎えた。

今年度の学会賞は、学術賞、奨励賞、特別賞の受賞はなかったものの、審査委員が厳密に審議した結果、今後の成長が期待される40歳以下の若手研究者、実務者を対象とした「田島記念賞」に、2名の受賞があった。
一人目は、北陸先端科学技術大学院大学在学中に「モバイルコンテンツサービスにおける顧客ロイヤルティ形成メカニズムの解明」を執筆した小林由弥氏(現(株)ビットウェイ)。もう一人は、「ダイレクトマーケティングコミュンケーションにおける有名人広告の効果に関する実証研究」を書いた早稲田大学商学部の朴 正洙氏です。

最後に、次回開催校へ引継ぎ、第8回大会は幕を閉じました。来年度は、 2010年7月頃に、早稲田大学にて開催する予定です。