FEATURED NEWS
2021年11月18日 開催レポート(法務研究部会)
「初回割引定期購入契約」の広告表現に係る判例と、申込み最終画面規制 <発表者> 発表者:発表者:広告リスク研究所 矢野誠二氏 ・概要 1.景表法第30条第1項第2号に基づく不当表示差止め請求に係る裁判の経緯 《平成30年1月19日》 原告 特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海 被告 株式会社 メディアハーツ(現 ファビウス) 《令和元年12月26日》 判決 原告の請求をいずれも棄却 《令和2年1月8日》 原告控訴(名古屋高裁) 《令和3年9月29日》 判決 原告敗訴(報道による) 2.論点 ①「初回価格」の9分の1のフォントで表示された「最低4回継続」という条件が確実に認識できるか? ②1回目で中途解約できると誤認する可能性があるか? ③申し込み確認画面に総額表示が表示されていないことは、1回のみ安価で購入できるという誤認につながるか? [...]
2021年10月21日 開催レポート(法務研究部会)
通信販売のトラブルと事業者の対応 ~なりすまし、未成年者、認知症等判断能力に問題がある可能性のある者との取引 ~ <発表者> 発表者 箕輪法律事務所 弁護士 土肥 衆 ・概要 通信販売においては、インターネット、電話やはがき等を利用した非対面の方法により取引が行われるため、対面による取引とは異なる問題が生じる可能性があります。 今回の法務研究部会では、「なりすまし」、「未成年者」、及び「認知症を患っていること等を理由に判断能力に課題を抱える者」との取引において、想定されるトラブル事例を用いて、事業者の対応を検討することとなりました。 とりわけ通信販売においては、事業者からは、注文の段階で、注文者の属性等は不明であることが通常であり、商品の発送後や役務提供後になって、本人や関係者からクレームを受けたり、場合によっては本人やその代理人等から取引の有効性を争われたりすることとなるため、事業者としては、注文を受ける段階で、可能な限り、トラブルを防止するためのシステムを構築するか、社内でのルールを定めておく等する必要があります。 事業者としては、抽象的には、「取引の性質上、注文が取消しや無効の対象となることが相当程度予想される場合や、取引の対象や金額等から取消しや無効によるリスクが高いと考えられる場合等においては、そのリスク及び事後的な紛争を回避することをシステムの構築に要するコスト等も考慮のうえ検討する必要がある」などと指摘しました。 「なりすまし」及び「未成年者」との取引上の問題点については、経済産業省が公表している「電子商取引及び情報材取引等に関する準則(令和元年12月)」に詳細な記載があるため、その該当箇所を参照していただければと思います。 「認知症等を理由に判断能力に課題を抱える者」との取引上の留意点については、制限行為能力者制度、同制度上の取消し、意思無能力無効や取消し及び無効の範囲等の民法上の議論に触れたほか、成年後見人は個人情報保護法上も本人の代理人と考えられていること等に触れて、個人情報保護法上生じる可能性のある問題についても若干の指摘をしました。 もっとも、本人と関係者間で注文に関する意見に相違がある場合等、通信販売におけるトラブルは、実務上、法律論だけでは対応できないことも多いと思われますので、事業者としては、原則論を踏まえた上で、トラブルや紛争を事前に回避するルールを定めたり、システムを構築すること等が必要となります。
2021年9月16日 開催レポート(法務研究部会)
2020年改正新個人情報保護法への対応ポイント <発表者> 鈴木靖氏(株式会社 シーピーデザインコンサルティング 代表取締役社長) ・概要 来年4月1日から全面施行される「改正個人情報保護法」に関し、8月4日に新個人情報保護法委員会のガイドラインが確定し公示されました。今回の発表ではこのガイドラインの内容も盛り込みながら、EC・通販事業者が知っておくべき新ルールについて話していただきました。 発表では、新たに改正・導入された内容ごとに、改正個人情報保護法が実務に影響を及ぼす具体的なケースを取り上げ、その対策や注意すべき点について解説。例えば「不適正な利用の禁止」や「漏えい等の報告の義務化」、「オプトアウトでの第三者提供」など、より規制が厳格化された事項について注意すべきケースを具体的に示しました。 また、越境移転の際の「外国にある第三者への提供」については、提供以外に“クラウドサービス等を利用していて契約先が日本法人でない場合”など、「共同利用」や「委託」が含まれることに注意を促しました。 第三者提供記録の開示についても、本人が開示請求できるようになることに言及したのをはじめ、Cookieや広告IDを他の事業者に提供している場合は注意が必要としました。そのほか、「保有個人データの枠の拡大」や「保有個人データの開示方法」など、多くの項目で規制が厳しくなり、内容も複雑化していると指摘。デジタル化が加速しているという背景からも、社内の関連部署が連携して対応するなど、個人情報保護へのよりキメ細かい情報セキュリティ実務が必要と締めくくりました。
2021年7月15日 開催レポート(法務研究部会)
不実証広告対策における“失敗の本質” -根拠資料はなぜ認められないのか?- <発表者> 矢野 誠二氏(広告リスク研究所) ・概要 不実証広告の疑いをかけられ、行政の求めに応じて提出する広告表示の根拠資料はなかなか認められず、不当表示として処分されてしまうことが多い。これらの資料には、商品ジャンルや訴求事項を問わず共通している、いわゆる“失敗の本質”ともいえる以下のような問題点が認められる。 1.根拠資料の用途を認識していない 行政は「処分が必要となる可能性が高い」と判断して根拠資料提出時を求めている状況であり、記載事項の不備や論理矛盾は、確認不足との判断につながる。にもかかわらず、通販事業者・納入業者間で共通の認識ができればよいという、販売商品決定のための資料という認識しかない。 よくある根拠資料の問題点として、以下のような課題が挙げられる。 ① 広告表現と対応した“目的”“結論”の記載なし。(第三者機関の試験成績書のみ)⇒広告表現の責任は通販事業者に。 ② 再現試験可能な“試験方法”の記述無し⇒試験内容も分からないのに“確認した”とは主張できない。 ③ 医師や大学教員等の監修⇒景表法の知識が欠如した専門家が無責任に関与する例も。 ④ 取引先の協力不足。⇒意識面、スキル面の両方で問題が認められるケースが多い。地道に働きかけて改善を図らなければ、景表法リスクはなくならない。 ⑤ 資料はあっても、自社でチェックした記録が保存されていない。及び、チェック手順がルール化されていない。 [...]
2021年6月17日 開催レポート(法務研究部会)
プログラムの医療機器該当性に関するガイドラインについて <発表者> 矢野 誠二氏(広告リスク研究所) ・概要 平成25年11月薬事法改正により医療機器にプログラムが加わり、その後、PCや携帯端末にインストールするいわゆるアプリが増えたことを受けて、令和2年7月「家庭用心電計プログラム」「家庭用心拍数モニタプログラム」というジャンル(一般的名称)が新設され、令和3年3月薬生機審発0331 第1号・薬生監麻発0331 第15 号「プログラムの医療機器該当性に関するガイドラインについて」(https://www.pmda.go.jp/files/000240233.pdf)の中で、より明確化細緻化された医療機器該当性判断の指標が示された。 この中で、医療機器非該当に区分された商品は、雑貨としての販売が可能である。 一般人向け医療機器非該当プログラムとは、基本的に、「疾病の診断・治療・予防を意図していない」ものでなければならず、ガイドラインの中では以下のようなものが例示されている。 ・個人(患者を含む)の健康状態又は治療内容に関する情報を整理、記録、表示する ・運動管理等の医療・健康以外の目的に使用する(寝苦しさを検知してエアコンを制御、脳年齢パズル) ・医療関係の電子書籍や疾患や薬剤などに関する情報提供 ・運動強度や生活状況を検知して、健康の維持・増進のためのアドバイスを提供する ・健康管理情報(体重、血圧など)を表示・保管・転送する(医療機器からの転送を含む) ・検査データ等から糖尿病などの多因子疾患のリスクを健常人に提示する ・お薬手帳、母子手帳の情報を表示、記録する ・健康管理サービス提供者と健康履歴データを共有する [...]
2021年5月20日 開催レポート(法務研究部会)
「期間限定広告」の不当性に係る試考 <発表者> 矢野 誠二氏(広告リスク研究所) ・概要 期間限定販売の広告では、値引きの幅を示すために用いる比較対照価格が不当な価格である場合等は有利誤認表示とみなされる。さらに、有利な条件が適用される期間表示が実態と異なることで、当該取引が著しく有利と消費者を誤認させる場合も不当表示とみなされ、措置命令も少なからず発出されている。 前者の価格の不当性については、ガイドライン等で判断基準が示されているが、後者の期間表示の不当性については、セール期間の延長やセールの繰り返しについて、不当性を判断する指標が示されていない。 そこで、本発表では、セール期間を延長したり、短期間で繰返したりする過程で、不当な比較対照価格による二重価格表示の状態に陥ることがあることに着目し、その視点から、セール期間に関する表示が不当表示となる期間延長や繰返しの要件について検討した。 期間限定価格には、“過去の販売価格を比較対照価格とした二重価格表示”と“将来の価格を比較対照価格とする二重価格表示”の二つの要素が含まれる。 過去の販売価格を比較対照価格として期間限定値引きをする場合、セール再開時に「通常価格」が適正な比較対照価格としての要件を満たしていなければならない。なお、限定販売の期間が明示されていれば、期間中に要件を満たさなくなることは差し支えない。 セールを繰り返す場合も、セール再開時に表示する「通常価格」が適正な比較対照価格としての要件を満たすように休止期間(通常価格での販売期間)を設定する必要がある。具体的な措置としては、限定期間終了後、常に、直前の限定期間を上回る日数だけ「通常価格」による販売を行うことがある。 期間限定価格を将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示と捉えた場合、原則として期間の延長は認められず、〝新発売記念セール“などセール期間以前に販売実績がない場合はセール終了後2週間以上比較対照価格で販売しなければ不当表示とみなされるリスクが否定できない。 過去の販売実績を比較対照価格とした場合も、“今だけ○○割引”といった、セール終了後には対照価格で販売する旨を強調して、セール期間中の購入を強く促す広告表現を避け、期間延長や繰返し実施する可能性について表示することで、消費者の誤認を防止することが望ましい。
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