「アップセル・クロスセルならびに電話勧誘販売に関する規制強化、およびステルスマーケティング規制について」

<発表者>
(公益社団法人)日本通信販売協会 専務理事 万場徹様

・概要
消費者庁より2023年2月に「特定商取引に関する法律施行令及び預託等取引に関する法律施行令の一部を改正する政令」が公表されました。さらに従来の特商法での規制に加え、アップセル・クロスセルならびに電話勧誘販売に関する規制強化が加わりました。

今回のセミナーでは、まず2022年と2023年の特商法改正に盛り込まれてきた規制内容を確認し、規制実務上の留意点等を紹介。次いで、「電話勧誘」に絡み、消費者に電話をかけさせる方法について、誘引する際の手段を政令で「限定列挙」した点について説明がありました。

テレビやラジオ、雑誌、新聞、WEBなどで誘引し注文の電話をかけさせた際に、広告にない商品を不意打ち的に勧誘した場合、6月以降は「電話勧誘販売」の規制を適用。そのため、受注時にクロスセルで他の商品を勧めたり定期購入へのアップセルを予定したりしていれば、あらかじめ広告にその旨をある程度具体的に記載しておくことが必要と指摘しました。

また、電話勧誘販売に該当する場合は、「書面の交付義務」や「クーリングオフの適用」といった規制を受けることになり、注意が必要だとしています。

併せて、10月から施行される景品表示法における同告示改正(5条の3・いわゆるステルスマーケティング規制)についても解説。ステルスマーケティングに関し強力な規制効果が見込めるため、注意が必要と指摘しました。問題のない商行為や商習慣まで景品表示法違反となる可能性があることや、被害事例が示されていないので具体的なターゲットがつかみにくいことなどを問題点として挙げ、告示違反を恐れて事業者が委縮するのではないかとの懸念を示しました。

以上