「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン(案)」について

<発表者>
高橋 善樹弁護士(太樹法律事務所) 矢野 誠二氏(広告リスク研究所)

・概要

首記ガイドラインのパブコメに対する意見書提出を目指して、ガイドラインの概要及び意見書素案に関する説明を行って、部会参加者で討議した。
(なお、意見書素案は、定例部会開催に先立って部会員が確認できる措置を取った)

意見書素案について部会出席者から以下の指摘があり、幹事会で検討したうえで修正を加え、添付資料の内容で12月23日に消費者庁あて提出した。

(1) 初回限定割引の定期購入契約自体は違法ではない旨高裁判決でも判断が示されているが、素案では法務部会が初回限定割引自体を“詐欺的”と捉えているかのような表現が認められる。・・・(修正)検討委員会で用いられた表現の引用であることが明確な箇所以外、詐欺的定期購入の用語を削除した。
(2) 初回限定割引なしの無期限定期購入は一般的な契約形態であり、トラブルも報告されていない。全ての無期限定期購入について、申込最終画面に総額表示をする必要はない。・・・(修正)申込最終画面の総額表示は、“初回を含む特定の回数について高い割引率を強調表示する広告に限って”必須とするように修正した。
(3) 解約に係る表示に関して、発信主義的な記載があることは問題である。・・・(修正)発信主義的な表記を削除した。
(4) 経過措置期間を長くとるよう要望してほしい。・・・(修正)2年の経過措置期間を設けて欲しい旨追記した。

※意見書最終案の内容について、「“初回を含む特定の回数について高い割引率を強調表示する広告に限って”必須とするのであれば、かかる初回限定割引そのものをあたかも“詐欺的”と捉えているかのように読み取れる。これは、単に初回限定割引を行う定期購入であれば“詐欺的”ではないとする法務部会の見解に反し、いささか矛盾を生じているように感じられる」との意見が寄せられたが、初回限定割引は、検討委員会で契約内容の誤認されやすさが指摘され、法改正のきっかけともなった取引形態であり、初回の割引率しか認識していない消費者に高額な支払いにつながる契約であることを認識させる必要があると考えて、最終案の内容で提出した。